エントリーシートや面接で武器となる自己PRの作り方
前回のおさらいと今回のエントリーについて
前回のエントリーでは、「就活の自己PRで本当に求められているもの」をテーマに、自己PRの本質について書いた。
「自分自身を客観視できているか?」「それを言葉や文章できちんと表現できているか?」この二点が大きなポイントであることを述べている。
今回のエントリーでは、前回の内容をもとに就活の武器となる自己PRの作り方をご紹介しよう。
就活で武器となる自己PRの作り方
では早速、具体的な自己PRの作り方を解説する。基本的な流れは以下の通りだ。
- 自分史を書く
- エピソードを「強み」と「弱み」に仕分けする
- 強みの「再現性」を導き出す(抽象化)
- 「再現性」を最も魅力的に語れるエピソード上位三つを選ぶ
- エピソードに合わせて文章を書く
大きく分けて以上5ステップの作業。要は、”自己分析”をすることになる。
但し、ここでいう”自己分析”は、自分に合った企業・業界を見つけるためのものではなく、あくまで自分自身をとことん知るための手段であることを認識しておいてほしい。
以下、順を追って説明していく。
①自分史を書く
自分史を書く。文字どおり、これまでの自分に纏わるエピソードを文章に落とし込む作業のことだ。学部生は高校時代まで、大学院生は大学一年生の頃まで遡って書くのが適量だろう。
とにかく記憶に残っているエピソードをなんでもいいから文章化していく。書き残しがあったら前に戻って書き足していくこと。記憶に残っている過去の出来事は少なからず今の自分に何かしらの影響を与えている。だからこそ、取りこぼしなく全てを文章に落とし込む必要がある。
ポイントは「できるだけ客観的な事実を書くこと」、その上で「その時々の自分のモチベーションについても触れること」の二点だ。
自分がどういった立場から、いかなる行動をして、その結果何が生まれたか?周りからどんな評価を受けたか?その時自分はどのようなモチベーションで臨んでいたか?
これを意識して文章化作業を進めてほしい。地味で時間のかかる作業だが、今後数ヶ月、ともに戦う武器を吟味するとても大事な作業なのできちんとやり切ること。私の場合は総計一万字程度の自分史が完成した(※一万字という量はあくまでも目安)。
②エピソードを「強み」と「弱み」に仕分けする
自分史が書けたら、それぞれのエピソードから「強み」にできる要素と、「弱み」になる要素を抽出する。「強み」の要素には赤ライン、「弱み」の要素には青ラインを引いて色分けする。どちらに入れたらよいか分からない中途半端なものはとりあえず黄色のラインなどで識別しておこう。
③強みの「再現性」を導き出す(抽象化)
ここからやっと自分のセールスポイントを決定する作業に入る。仕分けした「強み」の要素を並べて”グルーピング”していく。同じようなことをしているエピソードをまとめる作業だ。そして、ここからが重要。それぞれのグループに名前を付けていく。
・粘り強さ
・人当たりの良さ
・牽引力
これがいわゆる”抽象化”だ。エピソードから感じる自分の特性をできるだけ簡単に表現する。ここでポイントを一つご紹介。この段階で「このグループとこのグループは一緒にできるな」というものがあれば、一つにまとめてしまおう。
そしてグループをどんどん統合していく。そして、最終的に残ったグループに、最後にもう一度名前をつけてやる。”自分自身のキャッチコピーを作る”最終工程だ。
私の場合は「向上心」、「柔軟性」が最終的なグループとして残っていたので、エピソードとの兼ね合いから「壁を乗り越えていける力」というキャッチコピーを使うことにした。これが自分の特性。
ここまでまとめると、自分のセールスポイントをはっきり表現することができる。自分自身をシンプルに、かつ魅力的に語ることができる。
④”再現性”の部分を最も魅力的に語れるエピソード上位三つを選ぶ
③までで自己PRの核は完成した。後はそれをどうやって伝えていくかを決める。自分の特性を表現するのに最も良さそうなエピソードを三つ選ぼう。できるだけ「他者との関わり」があるものが望ましいが、あまり悩まず直感でこれ!というものを選択して構わない。その方が後々自分の言葉で表現しやすいからだ。
⑤エピソードに合わせて文章を書く
④で選んだエピソードに自分の特性を含ませながら文章を書く。エピソードを三つ選んでいるはずなので、三パターンの文章が書けるはず。この作業もまた時間がかかるので、詳細については次回のエントリーで紹介することにする。
これで自己PR作りの作業はとりあえず終わりだ。核となる自分の強みを導き出して、それを表現する魅力的な文章を作る。「何でこんなまどろっこしいことをしなければいけないのか?」そう思われる方も中にはいるかもしれない。「もっと適当に作れるだろ!」と感じる人もいるかもしれない。
しかし、仮に適当にそれっぽい自己PRを作ったとして、 その文章のセールスポイントははっきりしているだろうか?どんな角度からの質問にも矛盾なく理路整然と答えられるだろうか?関連したエピソードを聞かれたとき、すぐに合致したエピソードを語れるだろうか?
この作業は自分自身を俯瞰し、そこから数文字のキャッチコピーを選定する作業である。一見非効率に見えるかもしれないが、これをやることで、自分に最も適した強みとそれを実証する論理的な文章が書けるようになる。
自分自身、就活が本格化する前にこの作業をやっていて本当に良かったと思っている。これが後々大きな武器となったからだ。
正しい指針のもとに行った努力は必ず報われる。やるかやらないかはあなた次第だが、私はやることをオススメする。